狼くんと放課後LOVE(仮)

教室の窓から空を眺めては出てくるのは

「はぁ…」


ため息ばかり。


「莉子」


「……」


「莉子」


「……」


「莉子!」


「うわっ!」


耳元で不意に名前を呼ばれて驚いて振り向くと


「やっと気づいたぁ」


さっきから名前呼んでるのに気づいてくれないんだもんと

少しイジケ顔の美穂がいた。



「ごめん。美穂ぅ。ちょっと、ボーとしてた」


アハハハと苦笑いして髪を掻いた。


そんなあたしに冗談だよって微笑む美穂。


あたしの肩を抱き寄せて


「莉子がそんな顔してると、あたしも泣きたくなるよぅ…」


おでこをピタッとくっつけて呟いた。


「ごめん…」


どうやら泣きたい気持ちが顔に出てたみたいだ。ダメだね。あたし…。美穂に心配ばかりかけてるね…。


< 177 / 236 >

この作品をシェア

pagetop