狼くんと放課後LOVE(仮)
教室の窓から空を眺めては出てくるのは
「はぁ…」
ため息ばかり。
「莉子」
「……」
「莉子」
「……」
「莉子!」
「うわっ!」
耳元で不意に名前を呼ばれて驚いて振り向くと
「やっと気づいたぁ」
さっきから名前呼んでるのに気づいてくれないんだもんと
少しイジケ顔の美穂がいた。
「ごめん。美穂ぅ。ちょっと、ボーとしてた」
アハハハと苦笑いして髪を掻いた。
そんなあたしに冗談だよって微笑む美穂。
あたしの肩を抱き寄せて
「莉子がそんな顔してると、あたしも泣きたくなるよぅ…」
おでこをピタッとくっつけて呟いた。
「ごめん…」
どうやら泣きたい気持ちが顔に出てたみたいだ。ダメだね。あたし…。美穂に心配ばかりかけてるね…。