狼くんと放課後LOVE(仮)
「ごめんなさい…」
「ふっ…謝るなって。マジでヘコむから」
「酒井くん…」
「俺さぁ、後悔してないんだ。立木に、俺の気持ち伝えたこと。
振られたけど…後悔はしてない」
真っ直ぐに見つめるその瞳はうっすらと涙で滲んで見えた。
「本気で…立木が好きだった。今も…まだ未練がないなんて言えないし。立木を振ったことをまだ後悔もしてる」
あんなに大好きだった酒井くんが、あたしのことをこんなに好きだと言ってくれている。
あのキラキラと眩しくて輝いていた酒井くんが、あたしのことで胸を痛めている…。
もしも…宮崎くんのことを好きになる前に言われていたら
あたしは、迷わず酒井くんの胸に飛び込んでいたのかもしれない…。
そう思うと…胸がチクンチクンと痛んで気づいたら涙が溢れていた。