狼くんと放課後LOVE(仮)
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
今のあたしに言えることは
「ごめんなさい…酒井くんの気持ちに…こたえることはできないよ…」
謝罪の言葉と酒井くんを傷つける言葉だけ…。
「ごめんなさい…」
「だから…謝るなって言っただろう。それに…泣くなよ。なんか…俺が泣かしたみたいじゃないか」
泣きたいのは俺の方だよと少し口を尖らして悪ぶってみせた酒井くん。
「なんか…似合わないよ…」
クスっと笑って微笑んでみせた。
「俺さぁ、立木のこと。ちゃんと諦める。時間かかるかもしれないけど。
うん。立木より、もっと可愛い子好きになるよ」
「酒井くん…」
「だからさ…これからは、普通のクラスメートとして俺と接してくれよ」
「酒井くん…」
「避けられるの…あんま慣れてないんだよね」
いいだろう?と首を傾げて聞く酒井くんに「うん」と頷くと「サンキュー」と嬉しそうに笑った酒井くんの笑顔は大好きだった頃と同じ眩しい笑顔だった。