狼くんと放課後LOVE(仮)
「はぁ…」
無意識にこぼれた落ちたため息は、真っ白に染まりながらクリスマスカラーで染まる街の夕暮れ空に虚しく消えた。
そんな俺の腕を突然、ガシッと俊輔が掴んだ。
「あっ?なに?」
「行こう」
「行こうって、どこに?」
「いいから、行こう」
そう言うと俊輔は、俺の腕を掴んだままツカツカと歩き出した。
「なんだよ!?俊輔!?どこに行くんだよ!?」
何度聞いても俊輔は「行けば分かるから黙ってついて来いっての!」と言うばかりでどこに向かっているのか全く教えないまま
連れて来られた場所は…
「お前…マジかよ…?」
莉子の家の前だった。