狼くんと放課後LOVE(仮)

一歩ずつ歩く度に右膝がズキンズキンと激しく痛む。


だけど、こんなところで立ち止まってる場合じゃない。


あたしの中で、宮崎くんとの距離が今までとは違う速さでドンドン広がっている気がして


言葉にできない不安が胸いっぱいに広がっていくのを感じた。


このままじゃいけない…。


それだけがあたしを支え痛みをこらえて一歩ずつ前に足を引きずりながら歩いた。



痛い…いたいよう…。


けど、こんな痛み…どうってことない…。


足の痛みなんていつか治る。


それよりも、今は宮崎くんに作ってしまった心の傷が心配だよ。


あんなに辛そうな顔…初めて見た…。

このままじゃいけない。

早く…宮崎くんのそばにいかなきゃ!

どこにいるの!?
心の中で宮崎くんの名前を叫びながら

俯きながら右足を一歩前に出した瞬間


「キャ…!」


また体のバランスを崩して倒れそうになったとき


「あぶなっ…!」


ガシッと体を支えてくれた暖かい腕のぬくもりは…




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