狼くんと放課後LOVE(仮)

お母さんが、宮崎くんに何かまだ言ってるけど、そんなこと…どうでもよかった…。


「みやざきくん…」


気づいたら、涙が次から次へと溢れ出していて…両手のひらで顔を覆って泣いた。


「莉子…泣くなよ…」


頭上で宮崎くんの困った声が聞こえたあと


「じゃあ、後はよろしくお願いしますね」

お母さんの声と、ゆっくりと部屋のドアが閉まる音が聞こえた。


どうやら、お母さんが部屋を出て行ったようだ。


「泣くなよ…」


宮崎くんの声にゆっくりと顔を上げると、涙でぼやける視界の中に優しい瞳の宮崎くんの姿が見えた。


「ヒック…ヒック…」


止まらない涙。
嗚咽まじりの泣き声が、静かな2人だけの空間に響いた。




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