狼くんと放課後LOVE(仮)
俺よりも、酒井を選んだんだって勝手に思って
「俺は、自分の弱さに負けて、莉子を最後まで信じることができなかったんだ…
本当…マジで最悪だよな…」
「そんなことない…宮崎くんは戻ってきてくれた。それだけでいい…そばにいてくれるだけでいいの」
「莉子…」
もう一度、莉子をギューッと強く抱きしめた。
あの時、走り去る俺の耳に莉子の叫び声が聞こえた。
心を引き裂かれそうな悲しい声。
気になって、引き返したら今にも倒れそうな莉子がいて、慌てて抱き寄せた。
目に涙をたくさん溜めながら俺の腕を強く握り締める莉子の姿が心を締め付けた。
そんな俺に
「もう…泣かすなよ…」
そう声をかけてきたのは酒井だった。