狼くんと放課後LOVE(仮)
「もう…彼女を泣かすな」
「酒井…」
莉子を抱きしめたまま酒井の顔を見た。
その真っ直ぐで真剣な瞳に、酒井も本気で莉子を好きになんだと悟った。
もしかしたら…俺以上に好きになってるかもしれない。
そう思ってしまう程の瞳に、俺も瞳を逸らさなかった。
ここで逸らしたら、酒井に負けてしまう。
そう思わされる程の強い想いが入った瞳だった。
「これ以上…彼女を泣かすと、本気で俺、お前から彼女を奪うよ」
「誰が渡すかよ。触れる事も許さねー
莉子は、俺の女だ。
誰にも渡さない」
莉子を泣かせたくせに、自分勝手な男だと自分で分かってる。
それでも譲れない想いは、心の根っこの部分にちゃんとあるんだ。
「彼女を泣かせたクセに!!」
「どう想われてもいい
莉子を手放すことなんてできない!!
絶対にできない!!」
心からそう叫んだ。