狼くんと放課後LOVE(仮)
クリスマス・イブ
【莉子side】
あれから早いもので、あさってはもうクリスマス・イブです。
「莉子。帰るぞ」
鞄を脇に挟んで両手を制服のポッケに突っ込みながらそう言って早く帰ろうと急かす宮崎くんに
「うん。今行く!」
そう言って駆け寄るあたしはきっと世界中で一番幸せ者だと勘違いしてしまうほど、あたしの心の中は寒さに負けないぐらいポッカポカであったかい。
「ふふっ…」
思わず頬が緩んで声に出して笑ってしまった。
「なに?莉子。なんかおもしろいことでもあったのか?」
不思議そうに振り返りながら聞いてくる宮崎くんに「なんでもないよ」と微笑んだ。
「なんだよ?教えろよ」
あたしの肩に腕を回して聞いてくる宮崎くんから逃げながら「秘密」と呟いた。
だって、言葉にできないぐらい宮崎くんが好きな想い。
どうしたらあなたに伝えられるの?
そんな事ができる方法があったら教えてよ。
あなたに何度も伝えるから。