狼くんと放課後LOVE(仮)
「莉子ぉーちょっと待ってよう!」
げた箱近くで名前を呼ばれて振り向くと、美穂と青木くんが息を切らしながら廊下を走ってこちらに駆け寄ってきた。
「どうしたの?2人共」
キョトンとした顔で聞くと、「どうしたのですってぇー」肩で息をしながら美穂があたしの両肩をガシッと掴んで耳元で
「きょう、あたしと2人で買い物に行く約束だったよね」
低い声で囁いた。
「そうでした…」
あたしのバカ!
きょうは美穂と2人でお互い彼氏に渡すプレゼント選びに行こうって約束してたんだった。
「莉子ぉ…あんた…幸せボケにも程があるよ」
引きつった笑顔の美穂ちゃん。怖すぎます…。
「ごめんなさぁーい」
「ほら、行くよ!」
あたしの腕をガシッと掴んだまま美穂は青木くんと宮崎くんに「じゃあね」と手を振ると、まるで連行するようにあたしを連れて歩き出した。
「宮崎くん!また明日ね!青木くんも!」
本当はもっと宮崎くんと一緒にいたかったことは、もちろん美穂は秘密です。