狼くんと放課後LOVE(仮)
それからの事は、よく覚えていない。
確か勢いで彼女に変な事を言ってしまったってことは覚えてる。
確か…キス…しちまうぞみたいに言った記憶がある。
まぁ、泣いてる彼女を見てたら、本当にしたくなったから仕方ねぇけど
絶対…嫌われたと思ってた。
失恋したばかりの女に、普通はキスしちまうぞなんて言わないと想うからな。
けど…その彼女が今、俺に向かって
「友達になってください」
と言ってる。しかも頬を真っ赤に染めて。
ブルブルと小刻みに震える両手でスカートを掴みながら
瞳を潤わせながら、真っ直ぐと俺を見て言ってるんだ。
その気持ちに応えてあげたいけど…
「イヤだって言ったら?」
「えっ…?」
「俺…友達になるつもりはないから」
俺の気持ち、少しは気づけよ。