狼くんと放課後LOVE(仮)

弁当を食べ終わり、もう少しで昼休みが終わる頃


「あたしね…莉子。莉子には、幸せな恋をしてほしいって思ってるんだぁ」


背伸びをしながら、冷たいコンクリートの床に仰向けになり空を眺めて美穂が呟くように言った。

「美穂…」


「初カレってね、結構重要なんだよね。全部…初めての相手になるからさ…」


「うん…そうだよね…」


“全部…初めての相手”


その言葉の響きが、なんだかこっぱずかしくて、くすっぐったかったあたしは、美穂の隣りに仰向けになって寝転び空を見上げた。




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