狼くんと放課後LOVE(仮)
「あたしね…ずっと酒井くんのことが好きだった」
「───知ってるよ…」
「うん。そうだよね」
「うん。それで?酒井のこと…まだ好きなのか?」
気のせいか、少しだけ宮崎くんの声が震えたように感じた。
あたしは、思い切って顔を上げて真っ直ぐ宮崎くんの瞳を見て言った。
「うぅん。好きじゃない。酒井くんのことは、好きじゃないよ」
「そうなのか?」
「うん」
ハッキリ、分かったんだ。気づくまで時間かかっちゃったけど。
「あたしね、ただ…酒井くんに憧れてただけだと思うの」
そう、自分にないものを持っていた酒井くんにただ憧れて好きだと思い込んでいただけだった。