狼くんと放課後LOVE(仮)
「あのさぁ、一緒に帰らないか?」
まだ怯えた子犬みたいな顔でいる彼女にゆっくりと近づき手を差し出した。
俺の手をジィと見つめると「うん」とコクリと頷いて俺の手のひらに自分の手のひらを重ねた彼女の手をギュッと握りしめて
「この手…離さないから」
そう一言いった。
「えっ!?」
また赤くなる彼女の頬に触れてみたい感情を抑えて無言のまま彼女の手を引いて歩き出した。
俺の歩幅と彼女の歩幅がゆっくりと重なる。
その音が心地よくて、俺はジッと耳を澄ましてその音を聞いた。