狼くんと放課後LOVE(仮)
ビクンと再び固まる彼女の体。
「ごめん。もう少しだけこのままでいさせてくれないか?」
怖がらせないように自分でも驚くぐらいの優しい声で言った。
大丈夫。今は、まだ、なにもしないから…抱き締めさせて…。
そんな俺の想いが届いたのか、俺を突き放すことなく
「───うん」
フゥーと吹けば風で消えてしまいそうな小さな声で言うと
ゆっくりと、彼女の張り詰めていた体中の力が抜けていくのを感じてポスンと、俺の胸元におでこをくっつけた。
「好きだよ…莉子…」
気付いたら、そう呟いていた。