狼くんと放課後LOVE(仮)
「ここ…」
着いちゃった。あたしの家。もっと家が遠かったら良かったのにな。
「そっかぁ」
ずっと繋いだままだった手がゆっくりと離れた。
途端に心の奥がシュンと寂しくなった気がした。
これでバイバイしなきゃダメだよね?
寂しくて俯いていたら
「莉子、ケータイ貸して」
そんな言葉と同時に目の前に大きな手のひらが現れた。
「えっ…?」
「ケータイ。貸して」
「う、うん」
おもむろに鞄の中からケータイを取り出して宮崎くんに渡すとピコピコとボタンを押して
「これ、俺のメアドとケータイの番号」
そう言って、ハイとケータイを渡した。