狼くんと放課後LOVE(仮)
「莉子、これって莉子が好きそうな曲じゃね?」
学校帰りに立ち寄ったCDショップで自分がはめていたヘッドホンの片方をあたしに渡して同じ曲を聴いた。
確かに…あたしが好きなアーティストの曲だけど…
そんな事よりも、少しバランスを崩したら触れてしまいそうな距離にある宮崎くんの顔の近さにドキンとなって曲どころじゃなかった。
こんな間近で宮崎くんの顔を見るのは初めて。
やっぱり睫長いなぁー。肌だって、男の子なのにスベスベだよ。
「ん?」
あたしの視線に気づいた宮崎くん。
「どうかした?」
「うぅん。なんでもない」
慌ててヘッドホンを外して少し宮崎くんから離れた。
その理由は自分でも分かっている。