Memory with you〜陽はまた昇り繰り返して逝く〜
「でも、お嬢様がタイプなら佳菜のこと好きになるかな?」


この期に及んでまだ皮肉しか言えない僕。


「話によると、テキパキと物事をこなす佳菜ちゃんに惚れたらしいよ。
てか佳菜ちゃん結構人気あるみたいだぜ。
お前も幼なじみってだけでなんの努力もしないとその辺のやつに持ってかれちゃうぜ!」


えぇ、えぇ、そのくらい自分でもわかってますよ。


幼なじみってだけで少女マンガみたいに上手くいかないことくらい・・・。


それでも佳菜のこといくら想っていても口には出さなかった。


その理由は、もしフラれたら気まずいし、今までの関係が壊れるのは嫌だからだ。


だから自然に一緒にいれる今の状況に満足している。


「なぁ、帰りに佳菜ちゃんの様子見に行こうぜ!」


信二にそう言われ、放課後ふたりで佳菜の所へ向かった。
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