Memory with you〜陽はまた昇り繰り返して逝く〜
ランチを食べた後、僕たちはブラブラと街に買い物に来ていた。


「わ〜！これ可愛いね！」


そう言って彼女は安物のネックレスを手に取った。


「こんなものでよければ買ってあげるよ。」


僕は隣にあった同じものを手に取りレジに向かった。


昔にもこんなことがあったなと、ふと思い出した。


それは中学２年生の３月３日。


その日は佳菜の誕生日だった。


毎年お互いの誕生日にプレゼントしていた僕たちはその日ふたりで買い物に出かけた。


向かった先は雑貨やさん。


「これ、可愛いなぁ〜！」


佳菜が手に取って見せたのはハートがモチーフのネックレス。


「じゃこれ買ってやるよ。」


そう言って佳菜が持っているネックレスを受け取りレジへと向かった。


今となってはこんな安いものと思うかも知れないが昔の僕にとっては高価なものだった。


「ありがとう！」


笑顔で言われた一言がめちゃくちゃ嬉しかったことを今でも覚えている。
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