Memory with you〜陽はまた昇り繰り返して逝く〜
「陽菜ー・・・陽菜ー・・・。」


病院の中庭で陽菜を呼ぶ佳菜。


「陽菜ちゃん、ママが呼んでるよ。」


そう言うと佳菜の母親は陽菜を離し佳菜の元へ向かわせた。


「佳菜ちゃん無事で本当に良かったわね。」


「圭ちゃん・・・。
お医者さんには奇跡的だって言われたけど・・・。」


佳菜の母親は泣き出してしまった。


「ちょっと〜、泣かないでよ〜!」


「だってぇ〜、陽介君の記憶だけなくなるなんてぇ〜。」


「いいのよ、佳菜ちゃんが助かれば陽介も本望ってもんよ!」


「・・・うん。」


「それにしても不思議なこともあるもんだねー・・・。」


そう言うとふたりは空を見上げた。


「陽介、あんたようやく佳菜ちゃんを守れたね・・・。」


そこには雲の間から一筋の光が差し込んでいた。
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