春の空
雄二は普段から、亮太らパソコン部の連中とばかりとつるんでいるので
あまり人の名前を知らなかった。
しかし名前を見るに、どうやら隣は男子らしい。
雄二は、今回は良い出だしだな、と思った。
これは、余談になるが、二年の頃のクラス替えの時の始めの席替えは、
うるさい女子が隣だったせいで、一学期の間は、少しも昼寝ができなかった。
まぁ、そのおかげで、二年の一学期は他に比べて成績がいいのは、
彼女に感謝しなければならないのかもしれないが。
雄二は、後ろを振り返って自分の隣の席を見てみた。どんな子なんだろうか。
どうやらお目当ての“赤石祐樹”は、まだ来ていないらしい。
雄二の隣の席は空いたままだ。
「どーだった?仲のいいやつはいたか?」
亮太が後ろから声をかけてきた。
「パソコン部は、俺とお前だけらしい。」
亮太は残念そうに言った。
どうやら、パソコン部は、クラスが散り散りになってしまったようだ。
まぁ、ほとんどの確率で放課後会えるわけだが。
「まぁ、いいじゃないか。俺がいるさ。」
雄二は亮太にそう冗談交じりで微笑みかけた。
亮太は不満そうに、お前じゃ張り合いねーよ、と言ったがとりあえず無視しておいた。
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