マスク・ドール
再び切りかかるも、今度は向こうも切りかかってくる。

ガキンッ! バキっ!

ヒミカは薙刀の全てを使って、『人形』の攻撃を防ぐ。

『人形』は四肢を使い、ヒミカに切りかかる。

「チッ! パワーはアタシ並みかっ!」

薙刀の底を使い、『人形』の胴体を突いた。

『人形』は10メートルほど後ろに下がった。

「ちょっとマズイかな?」

ヒミカの顔に、汗が流れる。

向こうは疲れを感じぬ体だが、ヒミカは違う。

いつまでもフルパワーで戦えない。

そもそも最初に口にした血液が少な過ぎた。

そろそろ切れてしまう。

「敵を甘く見過ぎたわね」

ヒミカの想像では、てっきり能力者の男だと思っていた。
< 17 / 59 >

この作品をシェア

pagetop