マスク・ドール
しかしいざ現われたのは、まさに異形のモノ。

敵を甘く見ていたことを悔やむも、すでに戦いははじまっている。

「ホントは本望じゃないけど、最後にフルパワーを出して破壊するか」

このままでは、こちらがやられてしまう。

薙刀を握る手に、汗が滲む。

『人形』が体勢を立て直し、再びヒミカに襲い掛かってきた。

だがその『人形』の体に、黒い糸が巻きついた。

「えっ!?」

「ギリギリセーフかしら?」

ヒミカが声をした方を見ると、ルナがいた。

その両手には、『人形』を縛り上げている糸がある。

ルナの武器だ。

ルナの両目も、すでに赤く染まっていた。

「ルナ、何故ここにいるの?」

「マカから頼まれたのよ。ヒミカの護衛をね」

見た目10歳の美少女のルナは、今は険しい顔をしていた。
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