マスク・ドール
「それは昨夜、アタシがやったわ。…まあ何にせよ、能力者を作るってのは分かるわね。顔と共に魂も奪って、より強力な能力者を造るのか…。でも魔女がそんなことをして、何をするつもりなの?」

「さあね。魔女の知り合いはいないことはないけど、あんまり関わりたくないもの」

「同感だ」

ルナとマカはイヤそうな顔をした。

「だが今回のマスク・ドールは被害者の体をそのまま放置しているな。成り代わりができないんじゃないのか?」

「でも時間が経ち、他の土地でなら通用するわよ。恐らく一通りの顔を集めたら、身を潜めるでしょう。その前に、狩らなきゃこちらの負けよ」

「~~~っ! どっかの愚弟と重なるだけ、腹が立つっ!」

愚弟と言う言葉に、全員が失笑した。

マカはぐしゃぐしゃと頭を掻き毟ったが、ふと我に返った。

「どれだけのノルマがあるのかは知らんが、かなりの数の被害者は出ている。そろそろ終わるかもしれないし、こちらも全力で取り組もう」

「そうね」

ルナも慎重な面持ちで頷いた。
< 24 / 59 >

この作品をシェア

pagetop