マスク・ドール
「でも具体的にはどうやって? 昨夜みたいに囮捜査は通用しないんじゃないの?」

ヒミカは腕を組み、眉をしかめた。

「囮捜査なんて必要ないわよ。糸はまだ切れていないしね。たどっていけば、マスク・ドールに当たるでしょう」

ルナは人差し指を立てる。

「そこで製造者に出会えればいいがな」

マカは深く息を吐いた。

「まあ本当は出会わない方がいいかもなんだけどね。魔女の使う魔法は、こっちの世界じゃ分からないものばかりだから」

「むぅ…。しかし動いているのは、実際一体だけなのか?」

「多分ね。あのマスク・ドール、動かすにはかなりの魔力を消耗するらしいから。最初の製造者である女性も、最後は魔力を搾り取られて亡くなったわ。見つけた時はミイラになっていたもの」

「…まあグダグダ考えてても仕方あるまい。とにかく糸が切られる前に、決着をつけよう。今晩はルナ、頼むぞ」

「はいはい」
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