マスク・ドール
心配そうに自分を見るキシの視線を感じながら、ヒミカは俯いた。
「アタシの力は、血・肉を食しなきゃ発揮できないもの。しかもあれだけの強敵相手じゃ、それこそ大量に食さなきゃならない。…マカはそこを気遣っているんでしょう」
「ヒミカは血・肉を食することを、嫌っていますもんね」
キシはヒミカの手を握った。
「…ええ。だから外されたのよ。それにカルマやナオが戦闘タイプなのは本当のことだしね」
「ボクは正直、ほっとしてますよ」
「えっ?」
驚いて顔を上げると、穏やかな笑みを浮かべたキシの表情があった。
「昨夜も正直なことを言えば、あなたを止めたかったんです。でも聞いちゃくれないでしょう? だから行かせたんですけど、心臓に悪いんですよ」
「だって…アタシの仕事だし」
「ええ、存じていますよ。だから協力しているんです。でも本音を言えば、危険なことをしてほしくないんです。恋人としても」
「アタシの力は、血・肉を食しなきゃ発揮できないもの。しかもあれだけの強敵相手じゃ、それこそ大量に食さなきゃならない。…マカはそこを気遣っているんでしょう」
「ヒミカは血・肉を食することを、嫌っていますもんね」
キシはヒミカの手を握った。
「…ええ。だから外されたのよ。それにカルマやナオが戦闘タイプなのは本当のことだしね」
「ボクは正直、ほっとしてますよ」
「えっ?」
驚いて顔を上げると、穏やかな笑みを浮かべたキシの表情があった。
「昨夜も正直なことを言えば、あなたを止めたかったんです。でも聞いちゃくれないでしょう? だから行かせたんですけど、心臓に悪いんですよ」
「だって…アタシの仕事だし」
「ええ、存じていますよ。だから協力しているんです。でも本音を言えば、危険なことをしてほしくないんです。恋人としても」