マスク・ドール
血族の幹部達は、次期当主であるマカの片腕にとヒミカを望んでいるらしい。

力では大きなハンデを持つヒミカが望まれているのは、マカのそういう部分を察してやることができるからだろう。

ならば今はマカが望むとおりの働きをしよう。

「…でもそのうち、先に動いてやるんだから」

「ん? 何か言いましたか? ヒミカ」

「ううん。とりあえず、今日は早めに休むことにする。疲れが残っているしね」

「そうですね。では軽めの物を作りましょう」

「ううん。戦ったから、お腹スッゴク空いてるの。ステーキかスペアリブが食べたい」

「…寝る前に食べると、太りますよ?」

ヒミカの顔がすぐさま険しくなり、キシの足を踏んだ。

ドカッ!

「うぐっ!」

「さっ、買い物に行くわよ」
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