マスク・ドール
「しょうがないだろう? 今のところ、体が空いているのはお前達ぐらいなものなんだ。他の奴らは何かしら予定があるし、抜けられないんだよ」

「アンタはどうなのよ?」

「私は夏休みに実家に帰省する前に、やるべきことが山ほどあるんだ。知っているだろう?」

「うっ…」

「まあボク達も専門学校での課題があるのですが…」

「それは二人で何とかできるだろう? こっちの事件の方は、犯人さえ特定してくれればそれでいい」

「学科が違うんだけど…まあ良いわよ。分かった」

ヒミカは散らばった資料を集め、立ち上がった。

「犯人を特定できれば、その先は関わらなくていいのね?」

「ああ。呪術が入っているのなら、私の分野でもあるからな」

「了解。じゃあ行きましょう、キシ」

「ええ。それではマカさん、後でご連絡いたします」

「すまんな。よろしく頼む」
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