マスク・ドール
「しかし顔剥ぎ事件なんて、とんでもない事件ですね」

「ヒミカの時のよりはまだマシ…とも言えないか。何せ魂にまで影響がある」

店の奥からソウマが出てきた。

「顔を剥ぐ時にどんな力が作用しているのかは分からんが、魂にまで何かあるのなら、かなり強力な呪術だろうな」

「マカ、気をつけてくださいね? あなたも力を持つモノ、狙われる対象としては充分なんですから」

「ああ、分かっているさ。しかし当主からの頼み。断るワケにはいかないだろう」

祖父こと当主は、マカが次期当主として立派な働きをするよう、動くことがある。

それを断れば、マカ自身にマイナスのイメージが付いてしまう。

ゆえに余程のことがないかぎり、当主の命には逆らえないのだ。

「ソウマ。マリー達はいつ頃帰って来る?」

「そうですね…。おつかいに行ってもらっている所、別次元ですからね。おそらく早くとも三日後になるかと…」

「マリーなら何か知っていそうだったんだが…」
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