イケメン学園~秘密の甘い恋~
「そして、あいつは優那が幼いときにその男と交通事故で死んだ。その知らせが来たときには、俺もビックリしてな。ばあちゃんなんてしばらく泣き崩れてたよ。しばらくしてから、病院に行って、顔を見に行った。そしたら優那が泣いていたんだ。」
「あたしが?」
「小さい頃だったから覚えていないだろう。優那はずっとこう言ってた。『優那は1人ぼっちだよ。』って。」
「そんなこと言ったんだ。」
「俺はそこで初めて涙を流した。こんなことになるなら、どうしてあのとき意地でも止めなかったんだろうってな。」
お母さんってそんなに思われてたんだ。
なんか、うらやましいな。
「その後、通夜や葬儀のとき・・・病院で泣いていた優那は泣かなかった。きっと、迷惑かけちゃいけないと思ったんだろう。」
それは、覚えてる。
だって、ものすごく泣きたかったの覚えてるし。
ただ、泣いたらみんなを困らせるだけだって思ってたから。
「そして、すべてが終わって葬儀にきてた人たちが『優那ちゃんはどうするんだろうね。』って聞こえてきたよ。優那の父親の両親は、母は病死したらしく、父はその時がんで入院してたんだ。だから、ばあちゃんと考えた。児童施設にいれることもできた。でも、どうしてでも優那が言っていた『優那は1人ぼっちだよ。』って言葉が気になっていたんだ。もし、児童施設に入れたらこの子は生まれてきたことを後悔するだろうって思った。だから、ばあちゃんといっしょに引き取ることにしたんだ。」
そんなことがあったなんて、知らなかったよ・・・。
あたしがやっぱり2人を苦しめてたんだ。