天使と野獣
高校生になろうとしていた息子だが、
どう親のひいき眼で見ても精神的に成長していない部分が見える。
第一、ここならたとえ卒業式に呼び出しがあっても、何とかやりくり出来る距離だ。
そう思いながら息子の卒業式が楽しみだ、と京介に話した。
そんな父の気持が分かる京介は、
父の為に、楽しみにしている父の為に
卒業式と言うものには出席しなくてはならない。
学校など行きたいと思ったことは無いし、卒業式など全く興味は無いが…
父が楽しみにしている事を失望に変えたくは無い。
京介は自分の落ち度からの結論と言う事などさらさら考えないで、
理不尽な事を言い出した高木に食って掛かっている。
「俺の人生を勝手に決めるな。俺はもう卒業したい。」
「そんな事を言っても学校のルールからかなり落ちているから留年だ。
嫌なら退学してもいいぞ。」
高木もいつも無視されているような気分があった京介に、
退学、と言う言葉まで出した。
いきなりそんな言葉が出て、
まるで喧嘩でも始まりそうな二人の様子を職員室にいる教師達も興味深かそうに見入っている。
「分った。何か条件を出してくれ。」
このままではらちがあかないとばかりに京介が切り出した。
その様子からは担任と生徒という系図は全く見えていない。
「条件… 何のことだ。」
「だから、条件だ。
そっちの出した条件を飲む。
何でも言ってくれ。
とにかく俺は卒業式に出なくてはならないのだから、何でもいい。
俺が条件をクリアしたら卒業式に出させてくれ。
だめだったら… 父の前で腹を切って許してもらう。」
聞いている教師達には京介の言っている意味がよく分らない。
皆お互いに顔を見合わせて…
笑うにはあまりにも真面目な顔をした東条京介。
それにしても腹を切って許してもらう、とは…
それにしても学校側への反省の言葉は一言も無いではないか。
全くどういう育ちをしているのか。
どう親のひいき眼で見ても精神的に成長していない部分が見える。
第一、ここならたとえ卒業式に呼び出しがあっても、何とかやりくり出来る距離だ。
そう思いながら息子の卒業式が楽しみだ、と京介に話した。
そんな父の気持が分かる京介は、
父の為に、楽しみにしている父の為に
卒業式と言うものには出席しなくてはならない。
学校など行きたいと思ったことは無いし、卒業式など全く興味は無いが…
父が楽しみにしている事を失望に変えたくは無い。
京介は自分の落ち度からの結論と言う事などさらさら考えないで、
理不尽な事を言い出した高木に食って掛かっている。
「俺の人生を勝手に決めるな。俺はもう卒業したい。」
「そんな事を言っても学校のルールからかなり落ちているから留年だ。
嫌なら退学してもいいぞ。」
高木もいつも無視されているような気分があった京介に、
退学、と言う言葉まで出した。
いきなりそんな言葉が出て、
まるで喧嘩でも始まりそうな二人の様子を職員室にいる教師達も興味深かそうに見入っている。
「分った。何か条件を出してくれ。」
このままではらちがあかないとばかりに京介が切り出した。
その様子からは担任と生徒という系図は全く見えていない。
「条件… 何のことだ。」
「だから、条件だ。
そっちの出した条件を飲む。
何でも言ってくれ。
とにかく俺は卒業式に出なくてはならないのだから、何でもいい。
俺が条件をクリアしたら卒業式に出させてくれ。
だめだったら… 父の前で腹を切って許してもらう。」
聞いている教師達には京介の言っている意味がよく分らない。
皆お互いに顔を見合わせて…
笑うにはあまりにも真面目な顔をした東条京介。
それにしても腹を切って許してもらう、とは…
それにしても学校側への反省の言葉は一言も無いではないか。
全くどういう育ちをしているのか。