現氏物語


母が美胡に悲しい目をむける。



「10月に一度…流一さんが様子を見に来るって…父さまからさっき連絡が…」


美胡ははしを落としてしまった。



「そ…うなんだ」



「今がもう9月でしょ?来月よ…美胡、やはり婚約なんて…」


「大丈夫よ…!ママ、この家を潰すわけにはいかない。江戸時代から続く茶道家なのに。ご祖に恨まれるわ」


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