現氏物語



「あ…いらっしゃい勝也くん」



美胡の明るくて上品な母親がすごくしょげていた。




「何かあったんですか?…美胡は!?」






沈黙が続いた。



沈黙を破ったのは美胡の母親だ。



「…美胡は朝から空港よ。…婚約者が一週間帰国するの…。美胡が学校を卒業してからの話をするって…わたくし、どうしたらよいのか…」







俺は固まった。



ついにきたか―。



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