よ つ の は
―…
ツー ツー ツー…



―… ひどい…か。

そうだよな、俺 ひどいよな…。

俺… サクラの彼氏として、自分に自信が無いから…
すごく不安だったんだ…
このままサクラが、俺の側から離れていってしまうんじゃないか… って。
サクラの事、すごく大切なはずなのに…
こんなにも愛しいのに…
自分勝手な事ばっかり言って、サクラの事 束縛して…
俺は、一番大切な人を傷つけてしまった。
もっとサクラの事、信じてあげられてたら こんな事には…

ほんと… 最低の彼氏だよな 俺…。



フッ …―
そっか… もう彼氏じゃないんだっけ…




せっかく… せっかく こうしてサクラと付き合う事ができたのに…
せっかくつかんだ幸せなのに…
俺は、自分で自分の幸せを ぶち壊しちまったんだ…

もう終わり…
何もかも、全てもう終わりだよ…



「俺… いったい何やってんだろ… 」


俺の気持ちと重なって、夕日は沈み 辺りを暗闇が覆っていく…

季節は梅雨の始まり…
冷めきった俺の心に、夕立が更に追い討ちをかける…
次第に強くなっていく雨足は、容赦なく俺に降りつける…


まるで、サクラとの終わりを告げるかのように…―







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