よ つ の は
「…ん? どうしたの?」

「うん…
実はさ、サクラに頼みたい事があるんだ」

「ぅん、いいよ! ミヤビのお願いなら、私 何でも聞いちゃうょ!」


「あのね…
サクラに、うちのバンドでボーカルやって欲しいんだ!」


「―…!
えっ… わ、私がボーカル?!
何で?! バンドのボーカルは ミヤビでしょ?
ミヤビがボーカルだから バンドが成り立つんだって、みんな言ってたよ?」

「うん… そうかもしれない。
でも俺は、サクラの歌声が好きだ。
サクラが歌ってるのを聞いて感じたんだ。
サクラには、俺には無い “人をひきつける魅力”があるって…
だからサクラに ウチで歌って欲しいんだ!」


「―… ありがとう。ミヤビにそう言ってもらえて 素直に嬉しいよ。
でも… 他のみんなが何て言うか…
熊さんや、良治さん… 部長さんだって 私を入部させてくれたのは、あくまで演劇部員としてだし…」

「それは大丈夫。 みんなだって サクラの歌声を聞いたら 納得するって!
だから、真剣に考えてみてくれないかな… 」

「ぅ、うん… 」



こうして… 今日の放課後、サクラには みんなの前で歌ってもらう事になった。
俺には、絶対の自信があったから…
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