よ つ の は
そう言って、俺に甘えてくるサクラは、ほんとにまだ子供みたいで…
そんなサクラの 無邪気なところが、俺は大好きだった。


「よし、じゃあそんなサクラが頑張れるように、俺からちょっといい話し。
今度の秋のライブが上手くいったら…、
冬休みに旅行にいこうかっ!」


「えーっ! ほんとに?!
やったぁー! ミヤビと旅行だぁ!」

「こらこら、喜ぶのは まだ早いよっ!
今度のライブが“上手くいったら”の話しだからねっ!」

「うん!うん!
私 絶対に頑張るよっ! だってミヤビと旅行に行けるんだもんっ! きゃっきゃっ」


ほんとに… 感情表現が素直だなぁー。 ここまで喜んでくれると、こっちまで嬉しくなってくるよ…。

「よしっ、サクラも頑張ってるし、じゃあ俺は 今日から旅行貯金していかなきゃなっ!
確か、良治のダチの親父さんが 鉄工所やってて、人手が足らないって言ってたからさ。
最近、体も鈍ってるし、ライブ用の体力造りも兼ねて バイトしてこよっと!」

「そっかぁ… ミヤビ、バイトするんだね…。
そしたら会う時間もなくなっちゃうのかなぁ…」

「大丈夫、心配すんなって!
親父さんに頼んで、時間帯ずらしてもらうからさっ!」
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