よ つ の は
「えっ…、 俺が先じゃないの?!!」

「ひひっ…、うん!
私の方が、もっと前から待ってたもん!
それで木のかげに隠れてたの。
そしたらミヤビが眠たそうに来て、ベンチで ぽけぽけしてたから、こっそり近づいてっ…  わあっ て!」

「ひっでぇなあー、久しぶりに俺の方が 先に来たと思って喜んでたのにー
てか、寿命がちぢむよ…」

「あはっ、大丈夫だょ! 何だかミヤビって、そう簡単には死ななさそうだもんっ!」

「はは… 何だよそれ」

「ほらっ、早く学校行かないと また遅刻しちゃうぞっ!」

「あ、ちょっ… 待ってよサクラ!」




当たり前かもしれない…
けど、やっぱりこうして 何事もなくミヤビと楽しく過ごしてるのが、一番幸せだなぁー…


桜の木の葉が、少しだけ紅く染まり始めて…
その葉の隙間から、優しい初秋の木漏れ日が、私とミヤビにキラキラと舞い落ちる。
それはまるで、朝の公園に降り注ぐ 流れ星みたいに…。

二人を取り囲む全てのものが 幸せの歌を 奏でてる…

鳥も 花も 風も 空も…



そして 私の心も…










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