よ つ の は
そこで私が目にしたのは、身体中に包帯を巻かれ、病室のベッドに横たわる、痛々しいミヤビの姿だった…

「み… ミヤビ…
ミヤビ! ねぇミヤビ! お願い、目を覚ましてよっ!
ぅう… ミヤビぃ… 」



―…コンコンッ
「失礼しまーす…」


― っ、看護婦さん…

「あら、こんにちは。 黒石君の 学校のお友達かしら?」

―…友達
「ぁ…、はぃ… 」

「安心して下さい、大丈夫ですから。
黒石君ね、アルバイト中に ちょっと集中力が途切れちゃったみたいで、立掛けてあった鉄パイプにぶつかったの…
その勢いで倒れてきた鉄パイプの下敷きになったのよ。

でも、彼は強いのね…
普通の人なら、このケガだと 気絶しちゃうんだけど、黒石君ね… ずっと うわ言のように呟いてたそうよ…

 “サクラ”… って 」



―…!!
ミヤビっ…!! ごめんねっ!!
私…、私が間違ってたょ!
ミヤビは、私の為に頑張ってくれてたのに…
なのに私… ミヤビに うそつきって言ったり…
海に行けなかったからって 怒ってた私がバカだった…
海くらい、またいつでも行けたのに…
ミヤビが こんな姿になるって知ってたら…、そしたら あんなこと言わなかったのに…


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