よ つ の は
「うん… でも、俺がバイトで事故らなけりゃ、こんな事には ならなかったんだし… 」

「ぅうん、ミヤビのせいなんかじゃないよっ!
だってミヤビ… 私が助けてって願ったら、こうしてちゃんと助けにきてくれたんだもん…
それだけで、もう十分だょ… 」


「サクラ… 」

―キュッ…



何も言わず、ただそっと抱きしめてくれたミヤビの腕の中は、ほんのり温かくて…
優しさと 愛に満ち溢れていた…。

ありがとう… ミヤビ…。






「あ、そう言えばサクラ 忘れもの… はいっ携帯!」

「あれっ、私 携帯わすれてたっけ?」

「うん、さっき俺に曲のデータ転送してくれて、そのままテーブルに置きっぱなしになっててさ… 」

「えっ、じゃあわざわざ携帯を届けてくれるために?」

「ぅん…。 携帯忘れてるよって 連絡したくても、その連絡手段を 忘れて行っちゃってるし…
明日でもいいかなって思ったけど、サクラさっき この携帯電話で曲聞いて頑張るって言ってたから、無いとまた気持ちが落ちちゃうかなって…
正直、歩くのキツかったけど、どうしてもサクラに携帯届けてあげたくてさ。あの看護婦さんの目を盗んで コッソリ抜け出してきたんだ!」

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