よ つ の は
「やぁ、君達のクダラナイ音楽を聞きに来てあげたよ。
まぁ、僕の上品でデリケートな耳には 雑音にしか聞こえないんだけどね」

「はいはい、そんな事はいいから…
頼んでおいたポスター、持ってきてくれた?」

「あー、あれね。
君達が渡してくれた原案では、あまりにも芸術性に欠けてたからね…
僕のセンスで、手直ししておいたよ。
まぁこれで、少しは君達の印象も… 」

「っるせぇなっ! お前はイチイチ細かいことゴチャゴチャ言いやがって!
ゴタクならべてねぇで、さっさと見せやがれ!!」

「あ…、はぃ… 」

―…パラッ


「ぁん? オィ蘇我っ…
お前…、ウチのバンド名 間違ってんじゃねぇか!」

「い、いやぁー 君達が書いた原案には“folec”って書いてあったんだけど、フォリックって読ませるなら“folic”って書くのが 正しいからさっ!
それに、folicって言葉の意味は“葉状”って事だから、より四つ葉のクローバーに近いかなっ…て 」

「ぁん?! だからって勝手に変えやがったのかよっ!!」

「まぁまあ、蘇我も悪気があったわけじゃないし、バンドの事を考えて、良かれと思ってやってくれたんだかさら。
それに、もう書いちゃったんだし!」
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