よ つ の は
「じゃあ、僕と熊さんは こっちだから…
ちゃんとサクラちゃんのこと送ってあげるんだよっ!また明日、学校でねー!」

「おぅ、またなー!」

「クスッ、良治さん… なんだかすごく嬉しそうだったねっ!」

「あー、あいつさ…
もともと親に捨てられて、親戚のおじさんに引き取られて育ってるからさ、家族って呼べる人がいないんだ…
だから仲間とか 彼女とか すごく大切にするんだよ。
ほんと、いいやつなんだよなぁ…」

「そうだったんだね… 私、まだまだ何も知らないことが たくさんあるね…」

「大丈夫! これからは サクラも みんなと同じ“仲間”なんだからさっ!」

「うんっ!」

嬉しかった…
一人で転校してきて、友達すらできるか不安だった私に、今は素敵な仲間がいる…

そして、素敵な彼氏が…



「あ、そうだ…
ライブも成功したことだし、ちゃんと約束守らなきゃね!」

「えっ?」

「はいっこれ! 旅行会社のパンフレット!」

「わぁ! どうしたの、こんなにたくさん…」

「うん、実はさ あそこの病院の裏側に、旅行代理店があるって あの看護婦さんに聞いてさ! こっそり取りに行こうとしたらバレちゃって… そしたら何とっ!!」

< 163 / 215 >

この作品をシェア

pagetop