よ つ の は

旅情

* 雅 side *


―…
それから俺は、ライブの次の日に、退院手続きをして、晴れて実家に帰ってきた…。


はぁ…、とは言ったものの…
バイトの途中で 入院しちまったからなぁ…
あんまし貯金できてねぇんだよ…
UKに話したら、
「それならUK銀行は、低金利で お貸ししまっせ!」
なぁーんて言ってるし…
あー マジでどうすっかなぁー…


―コンコンッ
「ミヤビー 居るんでしょ?」 ガチャ…

「おう、なんだよ姉貴から用事なんて 珍しいな?」

「何よっ、悪い?!
ねぇ それよりさぁ、アンタって彼女できたらしいじゃん!」

「なっ、何で知ってんだよっ?!」

「バカねぇアンタ… もうとっくに お母さんが気づいてるわよっ。
いつも遅刻ばっかりしてたアンタが、毎日 早起きして 急いで出かけるし… それに、アンタが入院してる間、彼女 ほとんど毎日来てくれてたんでしょ? 病院内でも有名よ。 入院中のアンタに、そんなに良くしてくれたんだから 今度ちゃんと紹介しなさいよっ?!」

「っるせぇなー、分かってるよ…。
てか何? そんなこと言いに来たの?」

「あっ! そうじゃなくてさぁー、 アンタに ちょーっと相談があってぇ〜…!」

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