よ つ の は
「あー もぅ! ほんっとミヤビのいじわるっ!」

「ははっ、じゃあ荷造り頑張ってな!」

「あっ、ミヤビ…
あのね… 前から気になってたんだけど、いつもバイク乗ってる時 ウォークマンしたままでしょ? 運転してて大丈夫なの?」

「あっ これ? 大丈夫だよっ! 心配いらないから!」

「ぅん…、でもやっぱり危ないょ…
ミヤビにとって、音楽が大切なのは分かってるよ?
けど… やっぱり運転してる時だけは、危ないから外して欲しいな… 」

「大丈夫だって! 耳の感覚が奪われる分、五感のうち 残りの四つは いつも以上にバッチリ働いてっからさ!」

「残りの四つって… 嗅覚や味覚は 運転に関係ないじゃん…
ねぇミヤビ…、私は本気で心配してるの…

ミヤビには、いつも奇跡を起こすチカラがあると思う…
でも、奇跡の裏側には 災難があって、その2つは背中合わせなんだょ?
結果がたとえ奇跡のおかげで幸せになっても、その前にある不幸な時間は、もう私は経験したくないんだょ…

でも、もうこれ以上 私がしつこく言い続けて、ミヤビとケンカしたりするのはイヤ…
せっかくもうすぐ旅行なのに…
私にとって、すごく特別な意味のある 旅行だから…」





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