よ つ の は

春風

＊ 雅 side ＊


「―… …ゃび
　
　…みやびー…　

　おぃ！ミヤビ！！」

ゴンッ！

「「「「うっ…！ ぃってぇー…｡ 　んだよぉ…。」

「ったく… 　オマエまたここでサボってんのかよ…。」

「うっせーなぁ、いいだろ別に。 価値観の合わねぇオッサン達の、ウンチク聞いてたって つまんねーし。」

「あーハイハイ そうですか。 なぁ！そんな事よりホラッ、見ろよコレ！」

「…ん　何だ…」


学校での ほとんどの時間を屋上でやり過ごしてる俺。だけど、太陽の光は好きになれない。だから、常に日陰を探しては移動を繰り返し、まるで住み良い環境を探して移住する移民みたいに。いっそ ツェッペリンの『移民の歌』でもバックミュージックにでもしてやろうかな。


「…ん 何だ… よく見えねぇ…」

この時は、うかつにも熟睡し過ぎてしまい、日の位置が変わった事にも気付かずに移民は、地平線と垂直になった真上から思いきり直射日光に照りつけられていた。

「くそ… 逆光で何も見えねぇ…

―…あ！それっ！」

「ジャーン！ リンキンのZepp公演のチケットぉ！！先着３枚、早い者勝ちだぜ。こりゃマジヤバいって！行くだろ？！ なっ？ なっ？」