よ つ の は

二人

* 雅 side *


―… pi pi pi pi…

―はっ!! ガバッ!…
「うっわぁーヤッベぇ、遅刻じゃんかよ!!」

―ドドドッドッ!!

「あら 雅、おはよ。 トースト焼いたから食べ… 」

「わりぃ、時間無いからっ!
行ってきまーすっ!!」

「まぁ、あの子ったら いつも遅刻なんて気にした事なかったのに…
ふふっ、変な子ねぇ…」


― チックショー、今日から一緒に登校しようってサクラと約束したのにっ…
1日目から遅刻してちゃダメだろ…
昨日の出来事が、まるで夢でも見てるみたいで…
サクラから送って貰った2ショット写真をニヤニヤしながら眺めてたら 眠れ無くて…
気付いたら いつの間にか寝てたんだよなぁー…

…と、とにかく、ダァーッシュ!!―…




「ハァ ハァ ハァ…

あっ、サクラだっ!
おーい、サクラぁー!!」

「あーっ、ミヤビっ!
もぅ! 急がないと遅刻しちゃうよぉ!」

「わりぃ! サクラ、走れるか?!」

「ぅーん、仕方ないなぁ…
何だか私、この学校に来てから ずっと走ってばっかりだょー!」

そう言ってサクラは、少しすねて見せながら笑ってくれた。

サクラとの出会いが、俺に生きる意味を教えてくれたんだ…
< 68 / 215 >

この作品をシェア

pagetop