よ つ の は
「ぉう… 」

「あれ…、 どうかした? なんか…怒ってるの?」

「いいえ、 何も怒ってませんがー」

「ひょっとして…、今朝メールでいきなりドタキャンしたから?
ごめんね、前もって言ってなくて…。
実はね、今朝 未来さんに… 」

「別にいいって、無理に言い訳なんかしなくていいから」

「ぃ、言い訳なんかじゃないょ?
ただ、ちゃんとミヤビに説明したいから… 」

「だから もういいって!
てか、いま部活中だし… 話しは また家に帰ってから聞くよ…」

「帰ってから…って、 今日は一緒に帰らないの?」

「さぁね… 別に今ここで一緒に帰るって約束したって、確実にそうできるとは限らないしな…」

「そうだけど…
何もそんな言い方しなくたって… 」

「 …― 」

「…分かった。 もぅいい… 」




― 何でだろ…
本当はサクラと、いつも通りに接したいのに…
変に 意地はっちまった…

はぁ… 何でこんな時に限って、素直になれないんだろう…。


―それから俺とサクラは、特に言葉を交わす事はないまま 時間だけが過ぎていった…。



「あははっ、いやぁーサクラちゃんは演技が上手いなぁー!
ほんとに初心者だったの?」

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