疵痕(きずあと)


「ごめん……」


 言いかけた時だ、熊坂が牙をむいた。


「それに、パクったろ。オレの作品」


「え? いや、そんな覚えはないけど。盗作なんてしないよ」


「したじゃないか、オレのを。オレは……あれ観て泣いたよ。オリジナリティーとかひとは勝手なことを言うけど、あれは、オレが、全霊をかけて描いたもので、それをおまえはこともなげにコピーしてみせたんだ。
悔しかった。屈辱だった。
だからおまえも、地獄に、引きずり込んでやる! こい! この、地獄へ」
 


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