比翼連理の契り 〜闇に魅入られし者〜

 翌日、駿瑛は側近に聞いた。


「前皇帝の鼬瓏はどうしたのだ? 何かわかるか?」

「いいえ、特に情報はありません。気になるようでしたら羅国の方に聞いてみますか?」

「そうか、聞いてみてくれ」


 その話はそこで終わらせ、今日中にはわかるだろうと思い、通常の仕事をし始める。

 ちょうどその時、別の側近が書類を持って入ってくる。


「駿瑛様、この書類に印をお願いします」

「わかった。貸してくれ」


 始めようとしていた仕事は、まず置いておき、先に書類に一通り目を通し、印を押す。


「あとは?」


 そう言いながら書類を渡す。


「今は無いです。また、後で持ってくるかと思いますが……」

「わかった」


 そして、側近は書類を受け取り、出て行った。





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