GAMEスリップ
序章 暇つぶし
目覚めたときには知らない世界にいた。
知らないセカイ。
だけど少し見覚えがあるような、そんな世界。
「あー、えーっと、大丈夫ですか?」
声がしたほうを振り向いてみると、そこには一人の男が立っていた。
「ええと、はい。とりあえず怪我はないので。…。」
ここがどこなのか聞こうと思ったが。さすがにはずかしい。
とりあえずこの人は日本人で、日本語もしゃべる。
外国ではなさそうだ。
こう…雰囲気的に。
「あの、なんか恥ずかしい話なんだけど…俺、ここがどこだかわからないんだ。君は、ここがどこだかわかるか?」
「あ、あなたもわからないんですか?実は私もわからないんです。」
なんだか親近感が沸いてきた。というかこれは仲間意識というやつだろうか
「でも、なんだか見覚えがあるようなところなんです…」
「そう。俺もなんかどっかで見たことあるような、そんな場所だと思ってた。」
ふと、気がつく。
いや、そんなまさか。
だってここは現実。
私が思い浮かんだものはゲームだ。
だから絶対に違う…はずだ。そうでなければならないのだ。