GAMEスリップ
「ていうかさ、なんで俺らこんなとこいんの?」
「…それはこっちが聞きたい。」
「まぁ…ここにいるみんながそういうことを思ってるよ。」
なんで自分が…ってかんじなんだろうなあ。
「まぁしょうがないよね。とりあえず三人で行動しようか。固まって行動したほうが安全だし。」
「うん。そうだね。砕羽は女の子だし。一人は危ないよね。」
「あ、あぁ、はい。」
「あはは、警護じゃなくてもいいよ?年齢なんて気にしなくていーからさ。」
時雨はニコッと笑った。
夏も顔を緩めている。
あー、このメンバーいいなぁ。
私はそれを実感した。
―そのときだった。
『ぴーんぽーんぱーんぽーん!』
ふざけた声が聞こえてきた。
『えーっと運営さんからのお知らせでえーす突然ですが、今からここにいる方々で決闘というものをやっていただきたいとおもいまーす』
「ねえ、今の、聞こえた?」
「うん…聞こえた。」
これは、いわゆるPvP(プレイヤーバーサスプレイヤー)というやつだ。
『あと、負けてしまうと現実世界で死んでしまうことになるのでお気をつけてー!』
ブツッ。
電話が切れたときのような音がした。
それから、あのふざけた声がすることはなかった。